今回のフォトフェスのテーマは「自己と他者」。メイン展示では、1970年代に注目を浴びながら、36歳という若さでこの世を去った牛腸茂雄の個展を開催。 牛腸氏は日常で出会った子どもたち、家族、友人などを被写体に、「自分と世界とのかかわり」や「自己と他者の関係性」を探求し続けました。本展では、<日々><幼年の「時間(とき)」><SELF AND OTHERS>などから精選した約40点を展示。
桑沢デザイン研究所以来の牛腸氏の友人、本展出品作品のプリンターであり、監修協力を行った三浦和人氏と、フェスティバル実行委員長である平間至がギャラリートークを開催。
なぜ牛腸作品はこんなにも人を惹きつけるのか、当時の状況、作品自体から受ける印象など様々な角度から作品を掘り下げました。
「自己」と「他者」をテーマに取り組んだ若手写真家たちの視点を探ったグループ展。
亀井邸の各部屋で、それぞれのテーマに静かに向き合える展示となりました。
↑喜多村みか・渡邊有紀 「TWO SIGHT PAST」
大学時代から同級生であるお互いを約15年にわたり撮り続けている一連の作品群。撮影者と被写体という一方向ではない関係性が、新しいポートレートのあり方を提示しながらポートレートの本質を考えさせられます。
↑菱田雄介 展示(映像作品)
↑横山大介 展示
塩竈フォトフェスティバル2016写真賞大賞受賞作での個展。同世代の女性たち、生まれ育った和歌山の自然、愛犬や家族との日常を、みずみずしい感性で掬い上げた作品を展示。会期中、作家本人によるギャラリートークも行われました。
平間至を顧問に、2017年に発足した「SGMA写真部」の活動から生まれた作品を展示。定期的に塩竈で行われる写真部の活動を通して、自分の写真と向き合いました。
福島、宮城、岩手県の中学生から寄せられた「思い」の詰まった100枚の写真を展示。会期中、中学生向けワークショップ「思いを伝える写真」の講師を平間至が務め、写真の楽しさと共に、なぜ撮るのか・どうして撮りたいと思ったのかなどを真剣に考えながら、写真の奥深さを学びました。
川村友子(猫の写真)と佐藤敦子(羊毛フェルト)によるちいさな展覧会。期間限定で特別メニューも登場!
<レヴューワー>
・秋山伸(グラフィック・デザイナー、パブリッシャー/edition.nord)
・菊田樹子(インディペンデントキュレーター)
・齊藤晶(A&R、ディレクター/エイベックス・エンタテインメント株式会社)
・佐藤正子(キュレーター/株式会社コンタクト)
・鈴木理策(写真家)
・平間至(写真家)
今回も、全国各地からクオリティの高い作品が集まり、参加者とレヴューワーの真剣なやり取りが繰り広げられました。
レビュー終了後、レヴューワーのみで二次審査へ進む作品を選んでいきます。午前中から写真を見続けているにもかかわらず、全員立ち上がっての議論は白熱しました。
2日目は、一次審査を通過した7名による公開審査。作家のプレゼンテーションを聞き、質疑応答で作品に迫っていきます。
最終審査はかなり難航しましたが、今回の写真賞大賞は、田近夏子「二度目の朝に」 に決定しました。学生での受賞はフォトフェス始まって初めてでしたが、現時点で完成度が高く、伝えたいことが過不足無く伝わってくるポートフォリオに、今後のさらなる期待を込めての選出となりました。おめでとうございます!
<大賞>
・田近夏子「二度目の朝に」
<特別賞>
・木原千裕「それは、愛?」
・前川朋子「何という静けさ」
・古野達也「実在/being」
<ニコン賞>
・合田千夏「無人発電所」
ご参加いただいたみなさん、また展示等にご来場いただいたみなさん、 誠にありがとうございました!